2019.12.05
ヤスオ兄さんへ
アウシュヴィッツ、ビルケナウ強制収容所で思うこと
最初に言っておくと、アウシュビッツ強制収容所は年間の200万人を越える観光客がきています。
見かける写真だと誰もいない空間のものが多いけど、大丈夫、実際は多くの人が見学しているので、怖さみたいなのは薄いかな。とはいえ、感じることは多いです。
アウシュビッツ強制収容所の見学にオススメの季節は?
ガイドさんは「夏の暑さや冬の寒さを体感しながら回るのも感じるところがあるので、見学時期はいつでも」と言ってたよ。(こちらも現地の日本語ツアーに申し込んで、ホテルまで迎えに来てもらいました。)
中谷さんという日本人のガイドの方に申し込んだけど、都合が合わず。ポーランド人の日本語ガイドの方でしたが、何回も来られているようで、細かく説明してくれました。
場所柄、手紙が若干重めになるけど、内容はガイドさんとアウシュビッツの冊子が元に書くね。
アウシュヴィッツとビルケナウは無料のシャトルバスで行き来できます。
ビルケナウは広大な土地に鉄道の路線があり、その左右にバラックが、その奥にガス室のあった建物跡があるところ、アウシュビッツは建物の中に展示物がある博物館的な要素が強いです。
まず、ビルケナウ強制収容所へ。
着いて最初に言われたこと
「今はこれだけ草が生えてますが、当時は草1本生えてませんでした。食べるものが何もなかったので」
着いて最初に受けた説明がこれです。あぁ、来たんだな、と実感しつつ、あくまでも自分は見学者なんだなと。
ポーランドで新しい生活が始まる。と言われて窓もない貨物列車に乗せられて、多くの人が運ばれてきた。
着いたらすぐに選別。何か基準があるわけではなくて、医者がパッと見て働けるかどうかで判断。
働けるといわれたら、木やレンガのバラックへ。
もちろん建物内の環境はすごぶる悪い。働けたとしても、10時間の過酷な労働で、食事も排泄も自由にはできない状況。(働く場所は、近くの工場など)
働けないとなれば、シャワーを浴びるから全部洋服を脱いでください。とウソをつかれてそのままガス室へ。
働いてもその後抜き打ちの選別が行われて、働けないと判断されてしまうことも。
そのやり方があまりにひどくてここには書けない。
そう、今回は何って書けないことが多いのですよ。
アウシュビッツ強制収容所へ移動。
地図は、いかに多くの場所からここに人が連れてこられたかが分かる。
日用品はドイツ市民に配給されたものも…
よく見る鍋や櫛などの日用品の展示は、
「みんな新しい生活が始まると言われてたから持ってきたんですよ。それをナチスはドイツ市民へ配給していたので、ドイツの中にはナチスはよいと思ってた人もいるんですよ」。
大量の靴も「130万人収容されて、展示されてるのは4万人分なので、少ないと思いませんか?」
ガイドさんはここであったことを説明をしてくれて、それで頭がいっぱいになるから写真撮る感じになれない。
昔はこのBの字がよく使われていた
ガイドさんが「ARBEIT MACHT FREI(働けば自由になる)。のBの字の下が大きくなってるのは、作者のささやかな抵抗といわれるけど、昔はこのBの字がよく使われてたんですよ。古いカフェにこの字を使ってる看板がありますよ。
でも、人間は伝説が好きだから、抵抗したという話が出ますね」と。
それでも…
ビルケナウの行き止まりの路線みたいに、次がないって人間にとってはやっぱりつらいことで、それでもどこかに希望を見出したい(伝説でも)。次に何ができるのか考えられるなら、考えるべきなのでしょう、と。
見学はガイド付きをおすすめするよ
とりあえず、私から兄さんに言えることは、見学に行くならガイドをつけたほうがいいよってこと。
本に説明は書いてあるから、分かることも多いけど
ガイドさんが「ここの写真はダメです」「あそこでは写真も話してもいけません。私も説明はできませんので事前に説明します」と言ってくれます。それでそのスポットの事の重大さがより実感できます。
ガイドさんによって説明が色々(歴史的事実が多すぎて、どの部分をピックアップして話してるか違う)ようだけど。ガイド料がかかるのはかかるけども…。それでも、兄さんにはガイド付きをおすすめします。
※情報は2019年12月現在
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