ヤスオ
さとみ
たや
トラベヨ便り
海外旅行好きの妹と日本から出たくない兄の文通物語。
海外旅行が好きな妹(さとみ)は英語もロクに話せないのに、相変わらずのノー天気ぶりを発揮して、長旅へ出発した。
兄(ヤスオ)は心配性。無鉄砲な妹に不安が募り「食事は?」「天気は?」「現地の人とコミュニケーションとれるの?」と次々に質問をしてくる。
妹も今回は長旅になるし、知人がいるセルビアに居候したり、語学留学を考えていたり、ヨーロッパの国々へ旅行したり…と、国も状況も変わりそうなので、兄さんに連絡したほうがいいかなと思い、文通を始めることにした。
そもそも兄は、海外旅行(国内旅行でさえも)を勧めても「仕事が忙しいし、家族がいるから行けない」となかなか重い腰を上げない。
妹は今回の旅で、兄が海外に行きたくなるように仕向けようと画策。
兄の友達には、海外で暮らしている人もいて、その人たちからも手紙が届けば、きっと兄にも心境の変化が訪れるはず。
だけど、いいことばかりではない海外旅行や異文化での暮らし。兄の重い腰は、上がるのか?妹はこの手紙のやりとりのゴールを、兄が海外から手紙を書くことだと秘かに決めた。
3年後か5年後か、兄から海外旅行の相談を受けたり、準備のお世話をしたい、お節介な妹であった。
兄は兄で、これを機会に日本のよいところをアピールしようと、筆不精ながらも返事を書こうと頑張ることにした。妹が長旅から戻ってきたら、当分海外旅行など行かずに日本で…とこっそり思っている。
兄が海外へ行く日が来るのか、妹が海外旅行に行かない時は来るのか、お友達からの手紙でどんな化学反応が起きるのか。本人たちも分からない、なりゆきまかせの文通物語。
ヤスオ
さとみ
たや
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